奈良の生け花教室レポートと3分でわかる花 【奈良 西大寺 奈良女子大学 日本料理おばな 奈良ウェルネス倶楽部 太藺 縞つくも トトラ】
5月3週目の備忘録です。
その週に行ったお稽古内容と、花の取り合わせ、植物のちょっとした豆知識を掲載しています。
花の取り合わせや豆知識は普段のお花選びの参考にしていただけます。
【生け花教室レポート】
生け花教室レポートです。
今週は奈良教室、奈良女子大学、奈良ウェルネス倶楽部、日本料理おばなで生け花教室を行いました。
16日は奈良女子大学の華道部で生け花教室を行いました。
新入生が見学に1人来てくれました。
いつも始めに、花材の話、少し講義をし、実技をしてもらっています。
華道部の学生さんがお花をいけている間、新入生向けに
いけばなの歴史や、茶花についてお話をしました。
レッスンは自由花をしました。
花材は花菖蒲、縞つくも、アスター、手鞠草、鳴子ユリでした。
姫がまが手に入らなかったため、縞つくもになりました。
上手にいけていただきました。
17日、21日夕方は奈良教室で生け花教室をしました。
生花は、花菖蒲とカキツバタをしました。
自由花は花菖蒲、太藺、アスター、手鞠草、鳴子ユリでした。
カキツバタは初夏のカキツバタをしました。
春に比べ、花丈が葉よりも伸びますので、それを表現するのと、少し葉に遊びが出てきます。
本来なら、カキツバタは今が盛りなので、3本以上花を多く使って表現するのですが、花材の都合上、2本しか入らなかったので、それでやっています。
20日夕方は日本料理おばなさんでのお稽古でした。
ここも、生花はカキツバタです。
自由花は花菖蒲、縞つくも、アスター、手鞠草、鳴子ユリでした。
綺麗に仕上がりました。
20日夜は奈良教室でいけばなを楽しむ会でした。
今回は2名の方に参加頂きました。
これは野かんぞうです。
2人だったので、私もいけました。
今回は、要望もあり、花瓶にどうやっていけたらいいかという質問がありましたので、それをお伝えしました。
花瓶にいけた経験がある方だとわかると思いますが、普通にすると花が上手くとまってくれず、思った向きと全く違う方向に花が向いたりします。
また今回持参されたような、大輪の物になると、重さがさらに加わりますので、なかなか思い通りにいきません。
結果的に、こんな感じにとまりました。
今回はペットボトルを使って留めたのですが、留める工夫が必要になります。
また、ガラスの器になると留めている物が見えると、違和感をどうしても感じますので、それをどのように隠すか、もしくはペットボトルのように目立たない物を使って留めるかという形になります。
具体的な手法は、『もし花束をもらってしまったらシリーズ』と題して、そのうち動画で花束を花瓶に格好良くいける方法を随時公開していこうと思っていますが、とりあえずは実際に教室に来ていただいたらお伝えしようと思っています。
21日のお昼は奈良ウェルネス倶楽部さんで生け花教室を行いました。
自分で花を選んで、花をいけれるようになることに抵抗をなくす目的でやっている講座で、各自で花屋さんでお花を選んできていただいています。
花の見方が、作品の半分を決めますので、そういう意味でも非常に大事な部分をお伝えしています。
今回は理想的な自然美についてお話をしました。
簡単に言うと、自分の内なる心の中に、理想的な自然美があり、常に自然は心によりそっています。
また、自分が願うからこそ眼にうつったり、耳に聞こえたり自然がありまして、それは自分自身の心の中から生まれでてるものです。
誰しもが純粋な眼に見えない光を心の中に持っているので、それを磨いていけば、自然と日本人特有の美感が養われていくという内容でした。
それを古今和歌集や、陶淵明の詩等の古典から引用した詩の一節をもとに、日本人の伝統的な美感について説明しました。
少し今回買ってこられた花材のボリュームが少なかったので、その辺りの説明のために、実技終了後に今一度講義をしました。
作者が意図する、主としたい材料(スカシユリ、ガーベラ)の量が少なかったので、表現がはっきり伝わらなかったかもしれませんが、作品自体は質感の統一がとれていて、綺麗に仕上がったと思います。
【3分でわかる花 太藺 縞つくも トトラ】
3分でわかる花シリーズです。
本日は、太藺と縞つくも、トトラです。
太藺は、水草でよく池に生えています。
夏になると穂状の花がつきます。
その穂が垂れ下がってみえるので、生け花ではしだれ柳などと同じで垂れ物として分類されています。
中が空洞なので、乾燥させて大量に集めて束にしても水に浮く性質をもっていて、チチカカ湖では、現地の原住民がトトラという太藺の仲間の植物を使って、人工島を作り、その上にトトラで作った家を建てて暮らしています。
これが太藺です。
太藺は、和ろうそくの芯に伝統的に使用される藺草に似ていて、それより太いので、その名前がつけられたといわれています。
奈良では安堵町で古くから藺草生産が盛んで、和ろうそくに使う灯心も今でも細々と技術伝承されています。
これが藺草です。
万葉の頃からあり、万葉集ではつくもという名前で呼ばれていました。
縞つくもは、縦縞の入った太藺のことをそのように呼びます。
縞太藺とも呼んでもいいのではという風に思われるかもしれませんが、縞ふとい(別名:段つくも)は横縞の入った太藺のことを指します。
いけばなの花材としては、夏にかけてよく使用されますので、写真でも見かけることがこれから増えてきます。
その他の作品に関しては、こちらをご覧下さい。
お稽古風景の動画もまとめてあります。
本日もごらん頂きありがとうございました。
当教室を引き続きよろしくお願いします。
田中