奈良の生け花教室 池坊中央研修学院 特別課 第1期
春も深まってまいりました。
4日~8日までは、奈良から5日間
京都の池坊が主催する全国の華道教授者育成のための
学校にいっていました。
ここは大学のようになっていまして、毎年20日通って、
4年間で卒業できるようになっています。
卒業後は、各教授の先生が受け持つ研究室に
通えるようになり、更に専門的な学びを追求していく形になります。
実際、ここに通わなくても地域で先生として、
指導されている方も多くいらっしゃいます。
ただ、不易と流行という言葉もあるように、
変わらない考え方がある一方で、
年々研究され、考え方が変わっていく所もあり、
その辺りを学んで地元で、家元の認識と相違のない
指導をしていこうとすると、
常に勉強していかないといけない部分もあります。
私自身も指導させて頂いているお弟子さん方に、
最先端のことをお伝えしていきたいという気持ちで、
通わせて頂いているという部分が大きいです。
1開催で5日間あり、午前中は講義、午後、講義終了後に
それぞれにテーマや、花型を変えて作品を制作します。
ある種の発表の場のような形です。
今回は、
1日目 生花正風体 かきつばた1種生け(春)
4月に入ると、カキツバタが徐々に出回るようになります。
春のカキツバタは、越冬した蕾が土から出た瞬間に花が開くことが
あります。
その様子を生け表し、低く花を、高くつぼみを表現します。
2日目は正風体立花でした。
今回は立花19箇条という伝にある、左流枝(ひだりながし)の活用を行いました。
通常よりも見越、請の空間が右側である陰方に大きく働くため、
そのバランスをとるために、流枝を左側である陽方に出すという形です。
3日目は正風体生花の2種生をしました。
特段指定はなく配りで生けました。
やまなしの良い枝があったので、それで真副を、
根〆を都忘れでしました。
4日目は自由花でした。
特に指定のないもので、自然調気味にという話でした。
トウゴクミツバツツジを山で切り出してきました。
テーマは”黄泉へのいざない”で、極楽の蝶に導かれる様子を
表現しました。
5日目も自由花でした。
テーマは特になく、自然・非自然どちらでもいいという形でした。
ちょうど、3日の日曜日に山に行ったときに、
さるとりいばらの新芽を見つけまして、
それを活かしたかったので、
ヤマシダと、海棠桜、黒百合とあわせました。
テーマは”乙女の心”ですが、
白い海棠桜や淡い新緑で見た目の純真さを表現し、
さりげなくその心の裏腹さを黒い百合で表現しました。
という感じでした。
結構、あっという間の一週間でした。
毎回、どれだけ良い花や枝、草、葉などに出会えるかが
作品の成否を決めていると思います。
料理と同じで材料の目利きができないと
良い作品はできないということでもありますね。