奈良のいけばな教室日記と3分でわかる花 【奈良 日本料理おばな ホテルアジール 桃】
2月4週目備忘録です。
26日にホテルアジールアネックスさんで、
商談会が行われまして、
その際にいけばなの展示をさせて頂きました。
ありがとうございました。
日本料理おばな様でのお稽古と、奈良教室でのお稽古の様子です。
日本料理おばな様では、桃の節句を控えてということもあり、
桃の生花(しょうか)1種生けと、桃を中心の素材とした自由花の
お稽古を行いました。
桃は女性的に、梅は男性的にといけばなの世界では言われるのですが、
桃の枝は丸みがあり、独特の柔らかさが女性に例えられます。
今は奈良では梅がまだ咲く時期で、桃はそのあと、桜と同じくらい、
もしくは4月に入ってから咲き始めます。
最近では、ハウス栽培の物が増えたため、
桃の節句までに花屋さんの店頭に桃が並び、
2月後半~3月前半のイメージが強いのですが、
これは人為的に作り出されたもので、
自然とはおよそ1ヶ月くらい違います。
桃の枝は当初、まっすぐのびるのですが、
1年がたつと、枝先を桃自ら、ヤニで黒く固めてしまいます。
そして、次の年、そのヤニで止まった枝先の下から
次の枝が伸びてきます。
送り枝と呼び、次につなぐ枝として、家系に例えられ
子孫繁栄の一つのしるしとして表現されます。
そのほかにも、桃の実は古くから長寿の実として
中国故事で伝えられていたり、
桃源郷という言葉があるように、中国古典の中では、
神聖なものとして桃は取り上げられてきました。
自由花は桃、アイリス、菜の花で、
季節感のある取り合わせにしました。
3月~4月にかけての花の取り合わせとしては、
非常に合う組み合わせです。
綺麗にいけて頂きました。
奈良教室でも、毎週柳と小菊だと飽きるだろうと思い、
今週は桃の節句も近いことから
季節感のある花木を生けるというテーマで、
桃の生花1種生をお稽古しました。
柳と小菊の2種生では、柳の付枝(二股や三股にわかれている枝のこと)を使用して生けるのは少し難易度があがるので、
使用してもらっていませんでしたが、
桃の場合は付枝を全てとってしまうと、
完全に桃らしさが消えてしまうため、
付枝を上手く使っていけてもらうことをしました。
手直し前、生徒さんがご自身でいけたものです。
私の手直し後です。
桃らしい女性的な柔らかさを出して生ける事、
器にあわせてあまり広げすぎず凛とした姿にする事、
このあたりを意識しました。
今週のお稽古は以上でした。