奈良のいけばな教室 もしあなたがGW前半に奈良に来るなら知っておきたい-見頃の奈良の風景-
奈良では、春日大社や興福寺で藤が咲く季節になってまいりました。
三条通の猿沢池近辺では、ハナミズキも花が咲いていました。
先週末は、無料拝観チケットを頂いたこともあり、
興福寺の中金堂の建設現場の見学に行ってきました。
なかなか建設中のお寺を見る機会もなかったので、良かったです。

全体的に足場が組んであったため、
中金堂の屋根の高さ、すなわち
五重塔と同じ高さまで昇れました。
おそらく、この高さからはこの先、
二度と見れないと思います。
昔は、100円で五重塔の屋根まで
昇らせてくれたみたいです。。。
今はこんなサービスはやってませんね。
将来的に興福寺は東大寺大仏殿の様に門で周りを囲むとの事で、
入館料が必要になるかもしれないと聞きました。
興福寺は近年はお金がいらない気軽に散歩で行ける名所で、
地元の方も度々行かれますが、観光という物が意識されるにつれ、
考え方も変わっていくものなんだなと感じました。
その興福寺には藤棚があるのですが、4月の中頃から5月中頃まで、
奈良では冒頭にあります通り、藤の花が咲きます。
特に春日大社境内の藤や、萬葉植物園の藤は全国的にも有名で、
多くの見学者がこの時期、奈良に藤見に訪れます。
元々、春日大社の鎮座する御蓋山(三笠山)は古くは神が住む山として
信仰されていました。
奈良時代になり、藤原氏が平城京を守るために、この地の氏神を祀る神社を建てました。
それが今の春日大社です。

慶賀門を入ったところには
藤棚があります。
これはノダフジの変種といわれ、
過去の文献にも登場することから、
樹齢700年~1000年と言われています。
花房が地につきそうなほどになることから、
「砂ずりの藤」と呼ばれています。
この藤は藤原氏の親戚である摂関近衛家が春日大社に
献上したと言われています。
藤原の「藤」の字や、藤原の家紋と春日大社の紋の下がり藤、
若宮御祭りに使うかんざしに藤を使うなど、過去のスポンサーであった
藤原氏の存在が春日大社やその催事から未だに感じ取れます。
日本の藤は数種類あります。
代表的なものはノダフジとヤマフジです。
ノダフジは上から見て、時計廻りに、
ヤマフジは反時計廻りに
蔓が巻き付きます。
ヤマフジは三笠山に自生しているので
春日大社から見る事ができます。
ノダフジは、大阪の野田が発祥の
藤の種類です。

平安時代~江戸時代の間に、野田の藤は全国にその種子を
持ち帰られ広まりました。
春日大社慶賀門のノダフジも、もしかしたら大阪から種子を
近衛家の人によって持ち込まれたのかもしれませんね。
今週末~5月のGWにかけてが、奈良の藤が一番見所となります。
奈良にいらっしゃる際は是非、足を運んでみて下さい。
ノダフジの話はまた改めてしたいと思います。
春日大社:http://www.kasugataisha.or.jp/